「城〜マクベス」


初演 1995年11月 東京 パナソニックグローブ座


シェイクスピアの4大悲劇の一つ「マクベス」を亡霊たちが再び繰り広げた祝祭の物語として捉え直し、 欲望の到達点である現代文明における人類の孤独、孤立を描いている。
「城」は文明の象徴であり、人間の欲望と不安を象徴する人物として「マクベス」が登場する。

「城」は文明の象徴であり、人間の欲望と不安を象徴する人物として「マクベス」が登場する。舞台上には椅子やベットが置かれ、その上には骨格を思わせる人形が横たわる。そこは時のはざまに忘れられた、廃墟のようでもある。遠くに波の音が聞こえる。白い、簡素な衣装を身につけた人形のような動きを見せる彼らは、まだ何者でもない。
 やがて天井から衣装が降りてくる。「マクベス」の登場人物たちの衣装である。それぞれの衣装を身に着けた人々。舞台には扉のようなオブジェが運び込まれる。マクベスは木馬に乗って回り続ける。
 激しい音楽とダンスによって孤立するマクベスの姿が浮き彫りにされていく。 床には一面の布がひかれる。全てが終わった時、人々はそれそれの衣装を脱ぎ捨て静かに舞台から立ち去っていくのだった。

 

■作・演出:小池博史
■原作:ウィリアム・シェイクスピア
■音楽:菅谷昌弘
■美術:小池博史、福島直美
■オブジェデザイン:田中真聡、松島誠
■ライティングデザイン:関根有紀子
■コスチュームデザイン:浜井弘治
■コスチューム制作:酒谷はる美
■ヘアメイク:南久惠
■サウンドデザイン:山本浩一
■サウンドオペレーター:江澤千香子
■装置/機械設計:タシブ・トモヒデ、田中真聡
■オブジェ制作:福島直美、宮木亜弥、松嶋誠、田中真聡
■舞台監督:菊地凡平
■宣伝写真:村越元
■ 宣伝美術:駿東宏

 

■出演 :小川摩利子,松島誠、ささだあきこ、白井さち子、鈴木美緒、後藤太志、縫原弘子、城戸晃一、井上仁、康本雅子、小林伸江、高瀬一樹