「青」


初演 1994年5月 東京 パナソニックグローブ座

「青」というタイトルが示すとおり、色彩としての青にまつわるさまざまなイメージを時間の痕跡として舞台上に表現した作品。 青という色彩のもつ、静寂、曖昧さ、冷たさ、情熱、あるいは大気、海、空、 そんなイメージを、舞台上に現れる数々のオブジェとダンスによって鮮烈に視覚化した。

響き渡る女の歌声。床の上を滑るように移動していく人々。
空間を切り裂くように音楽が始まる。パフォーマーはダンスとシステマティックな身体表現を織り交ぜながら激しく舞台を行き交い、その身体は恍惚と苦悶をともなって熱狂にいたる。

やがて熱狂は去り、透明感のある歌声が空間を癒す。終盤、静かに運び込まれるオブジェは積み重ねられて塔を形づくる。それは、熱狂の後に結晶化した世界の姿である。純粋さと永遠を宿す結晶の世界。 塔の周りに集まる人々。
悠久を思わせる世界に人々はただ立ち尽くす。

 

■作・演出:小池博史
■音楽:菅谷昌弘
■美術:小池博史、松島誠、福島直美
■オブジェ:松島誠
■装置:タシブ・トモヒデ
■衣裳:浜井弘治
■ヘアメイク:南久惠
■照明:関根有紀子
■音響:山本浩一、江澤千香子
■舞台監督:菊地凡平


■出演 小川摩利子,松島誠、白井さち子、鈴木美緒、後藤太志、梅林嘉人、ささだあきこ、祖父江洋子、戸塚みすず