作品解説
パパ・タラフマラを見る→すぐに現実には戻れない(戻りたくない)→アフター・パパ・タラフマラをどうしましょう?
見て、終わりではない。
身体に残るパパタラフマランド
2003年に上演された「ストリート・オブ・クロコダイル 計画1」の続編であり、2年に渡り国内外で積み重ねてきた数々のワークショップの集大成。
20世紀初頭にポーランドで書かれたふたつの小説、ブルーノ・シュルツの「ストリート・オブ・クロコダイル」と、ヴィトルド・ゴンブロ ヴィッチの「コスモス」。シュルツの描いた不気味に歪んだ都市の姿とゴンブロヴィッチの混沌へと向かう奇々怪々な世界を、爽快でコミカルな味付けをベース に、ちょっぴり妖艶なスパイスを調合しながら、現代の物語としてよみがえらせた。変形舞台空間を奔放に駆け巡り、互いに響きあう音、映像、オブジェ、身体 が、都市の暗闇を垣間見せ、時にユーモラスに、時にマジメに語りかける。
「時が移っても、人間の根源的なところはほとんど変わりはしない。しかし、情報とテクノロジーは、確実に人の体を不在化させた。ゆえに、現象はきわめて奇っ怪な様相を呈することになる。シュルツの面白さは、その身体不在化の予 言、あるいは奇形化の予言に由来する。肉体と精神のズレが生んだ日常的虚構性が、実は大きな「21世紀的現在性」を示しているのではないかと思うのだ。」―小池博史
|
|
|
|