profile_天童荒太

 tendou_arata.jpgPhoto by 橘 蓮二

パパタラの舞台を体験したあとは、風景が違って見えた。あらゆる芸術を内包し、世界の美と混沌を、丸ごと表現しようとする世界唯一の集団に、私の偏狭な価値観は、驚喜して伸ばされてきた。発展的解散の道を選んだ彼らを惜しみ、讃え、感謝しつつ、最後の体験の機会を逃さぬようにと多くの人に勧めたい。

作家

60年生まれ。93年「孤独の歌声」で日本推理サスペンス大賞優秀作、96年「家族狩り」で山本周五郎賞、00年「永遠の仔」で日本推理作家協会賞、09年「悼む人」で直木賞受賞。ほかの著作に「あふれた愛」「包帯クラブ」「静人日記」など。